『金田一少年の事件簿』アニメでは演出変更も…おぞましく凄惨だった「もっとも酷かった事件の被害者」3選の画像
講談社漫画文庫『金田一少年の事件簿』File12・書影より(講談社)

 1992年から『週刊少年マガジン』(講談社)で連載開始され、2022年に30周年を迎えた『金田一少年の事件簿』。日本を代表するミステリー漫画として根強い人気を誇っており、2022年1月からは『イブニング』にて『金田一少年の事件簿30th』の連載が始まっている。

 少年漫画として多くの読者に愛され、アニメやドラマでも人気を集めた同作だが、作中で起きた事件の中には読者を恐怖のどん底に陥れるような恐ろしい殺害方法も数多く描かれた。金田一ファンにとっては誰しも「あの事件が一番怖かった」「あの犯人がやばい」といった思い入れの強い、身震いするようなエピソードがあるのではないだろうか。

 そこで、今回は漫画『金田一少年の事件簿』の中から、筆者が特に凄惨だと感じた死亡者を何人か振り返ってみたいと思う。

■オペラ座館殺人事件:日高織絵

 まずは漫画『金田一少年の事件簿』における最初の被害者となった不動高校演劇部2年生・日高織絵から。演劇部の合宿地であるホテル・オペラ座館に、裏方のサポートとして金田一が同行したところから事件は始まった。

 気さくな性格ではあるが、演劇部員・月島冬子が自殺した原因をつくった3人の演劇部員のうちの1人。オペラ座館に着いてからは何かに怯えるような素振りを見せ、「金田一君、美雪ちゃん、あ…あたし……」と何かを告白しかけた言葉が最後の言葉となってしまった。

 その殺害方法は、まるでオペラ座の怪人による連続殺人の序曲であることを彷彿とさせるように、恐ろしくも芸術的に描かれている。彼女は劇場のステージ上で、落ちてきた数百キロはある鉄の照明機材によって押し潰されたのだった。その衝撃の強さからか、目は見開いたまま、右腕は天井に突き上げられたまま硬直し、人形のように息絶えていた。

 物語の始まりを告げるような美しささえ感じる殺害方法に、思わず息を飲んだ読者も多いのではないだろうか。

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