■得意の水中戦でワンチャンあるところまで追いこんだグラブロ
最後に紹介するのは、ジオン軍のフラナガン・ブーン大尉の乗る水中専用MA・グラブロ。魚雷と対空ミサイルを装備し、水中・水上どちらの敵にも攻撃可能。また、ベースとなったビグロ同様、機体の左右にアイアン・ネイルと呼ばれるクローを装備しており、その鋭い爪は頑丈な装甲を切り裂くほどの威力を誇る。
第28話「大西洋、血に染めて」で出撃したグラブロは、水中戦用の装備を持たないガンダムを圧倒。クローでガンダムの脚部を捕らえ、あと一歩のところまで追い詰める。しかし勢いあまってガンダムの片足をもぎ取ってしまったことが仇となり、水中で動きやすくなったガンダムにビーム・サーベルで突き刺され、撃破されてしまった。
ガンダムの足をちぎらず、捕らえたまま水中での消耗戦に持ちこむか、もう片方のクローが健在だったらグラブロ&フラナガンにも勝機があったのかもしれない。
ガンダム好きの間では、ニュータイプとして覚醒したアムロの圧倒的な強さが語られがちだが、とくに物語の序盤から中盤にかけてジオン軍の機体に苦戦を強いられる場面もあった。もちろん今回紹介した3機体以外にも、アムロ&ガンダムを倒せそうなチャンスは何度も見受けられた。
もっとも逆を言えば、こういう紙一重の勝負を経験し、きっちり勝利をおさめたからこそ、宇宙に上がってからのアムロの鬼神のような強さが生まれたのかもしれないが……。