1993年から94年にかけて放送されたテレビアニメ『機動戦士Vガンダム』。インパクトあふれるエキセントリックなキャラや、凄惨なストーリー展開を記憶しているファンも多いのではないだろうか。
そして歴代ガンダム作品の中でも際立つ、個性的なデザインをしたメカが登場。とくに敵組織「ザンスカール帝国」の機体は、同じ宇宙世紀シリーズの作品とは一線を画す“キワモノ”ぞろいだ。
まるで大蛇のような見た目のドッゴーラや、どことなく土偶をほうふつとさせるシャッコーやゾロアットなど、ガンダム作品とは思えない雰囲気を醸している。
そしてその独特な風潮は、作中の兵器や攻撃方法にも表れており、中には「本当にこれが兵器なのか?」と疑うようなものまである。今回はそんな『機動戦士Vガンダム』に登場した、ぶっとんだ発想の兵器を紹介しよう。
■主人公機がやっていいの? 武器ですらない「ブーツアタック」
まずは初期の主人公機ヴィクトリーガンダム(Vガンダム)が行った「ブーツアタック」から紹介しよう。Vガンダムは大きく3つのパーツに分かれており、頭部から胸部の「コア・ファイター」、腕部の「トップ・リム」、脚部の「ボトム・リム」が合体して1つの機体となるモビルスーツだ。
今回取り上げる「ブーツアタック」とは、通称ブーツと呼ばれる「ボトム・リム」だけを分離させ、それを射出して敵にぶつけるという攻撃。主役機の脚部パーツを特攻させる攻撃はあまり見たことがなく、衝撃を受けたものだ。
一応、Vガンダムは量産機なのでスペアパーツはそれなりに用意があり、劇中でも破損した部位のパーツ交換は行われている。とはいえ、脚部パーツをミサイルのようにぶつけるのは、あまりにも大胆というか、豪快というか……。
組織に属する大人だったらコスト面や失敗したときのことを考えて躊躇してしまいそうだが、まだ13歳と若いウッソだからこそ思いついた芸当なのかもしれない(それに的確に命中させるのも技術的に難しそう)。ちなみにウッソがブーツアタックを披露してから、他のパイロットも同様の攻撃を行っている。