■のび太の成長、ジャイアン&スネ夫との友情にほっこり
「ドラえもんに休日を」というエピソードも、感動的な展開が忘れられない。四六時中のび太の面倒を見ているドラえもんには休みがないという話を聞き、のび太はドラえもんに丸1日の休日をあげることに。
このうれしい提案にテンションの上がったドラえもんは、仲良しの猫・タマちゃんとイリオモテ島までハイキングに出かけることを決めた。だが、それでものび太のことが心配なドラえもんは「よびつけブザー」という道具を渡し、これを押したらどこからでも駆けつけるとのび太に伝えた。
そのブザーの存在を知ったジャイアンやスネ夫は、何とかブザーを使わせようと嫌がらせをするが、それでものび太はブザーを押さない。他にもいろんなトラブルに巻きこまれ、見知らぬ悪ガキにまで殴られそうになるが、その前にのび太は「よびつけブザー」を自ら破壊した。
意地でもドラえもんを呼びたくないという根性を見せたのび太に、ジャイアンとスネ夫も感心。最後は、悪ガキに殴られそうになったのび太をジャイアンとスネ夫が助けに行くという内容だった。
のび太の覚悟も立派だったし、まるで映画版のような心意気を見せたジャイアンとスネ夫のラストの行動にも感動させられる。
ちなみにこの「ドラえもんに休日を」は、アニメの前キャストを務めていた大山のぶ代さんたちの最後の出演回に選ばれたエピソードでもある。
『ドラえもん』の感動話といったらアニメ映画という印象もあるかもしれないが、原作コミックスにはいろんな良エピソードが存在する。それに『ドラえもん』を今読むと、子どもの頃には気づかなかったものに気づかされることも多い。何度も読み返すのをオススメしたい、まさに不朽の名作だ。