■特典映像で日の目を見たビジュアル抜群のグフ
テレビアニメ『機動戦士Zガンダム』にチラッと登場していた「グフ飛行試験型」という機体。これは一年戦争後に連邦がジオンから接収して実戦配備したモビルスーツで、ホバー移動するグフの試験機だ。
そして、その完成型とされているのが「グフ・フライトタイプ」。名前が示す通り、大気圏内でドダイYSを用いずとも、短時間なら空中戦が行えるという画期的な機体である。
アニメでの時系列は逆になるが、このグフ・フライトタイプもOVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場。ただし本編での活躍シーンはほとんどなく、アプサラスの護衛につく姿が描かれた程度だった。
しかし、2013年に発売された『機動戦士ガンダム 第08MS小隊 Blu-rayメモリアルボックス』の特典として同梱された新作ショートフィルム「三次元との戦い」で、このグフ・フライトタイプとガンダムEz8の戦いが描かれている。
フライトタイプがホバー移動で水上を疾走する姿や、バックパックや腰部に備えたウイングを可変させながら空中を舞うような立体的な動きは、グフ好きならずともほれぼれする美しさ。上半身はグフをベースにしながら、ドム系の重厚な脚部を備えたシルエットは、ビジュアル的にもすごく映える。
また、この映像に出てきた機体はノリスのグフ・カスタムと同じく、ゴツいガトリングシールドを装備していたのも個人的にはポイントが高かった。
今回紹介したグフの珠玉のバリエーション機は、どちらもOVA『第08MS小隊』に登場したもの。逆を言えば、グフをベースにした機体が登場するアニメ作品はかなり限られており、いろんなアニメに後継機が出てくるザクやゲルググなどに比べると少々寂しい気もする。とはいえこれだけ少ない出番の中で、ファンを喜ばせる存在感を示しているのだから、グフはやはり偉大なモビルスーツなのかもしれない。