■弟のカルトと違って念能力を知らなかったキルア
これも割と話題に上がる疑問のひとつ。名門ゾルディック家随一の才能を持つキルアはハンター試験に参加するまでは念をまったく知らず育ってきたが、弟のカルトは幻影旅団に入れる程度には念を習得しているという点だ。
キルアは、天空闘技場でウイングと出会うまでは確かに念を知らなかった。だが、あの時点のキルアは下手な能力者よりも強く、十分に念を扱えるレベルだった。父・シルバたちが彼に念を教えるべきだったのではと思うが、これについては兄・イルミが関わっているのかもしれない。
暗殺一家に疑問を感じていたキルアに念を教え、暗殺に不向きな能力を開発されるのを恐れたのではないだろうか。せっかくの才能を暗殺だけに向けて欲しい。そのために、針での洗脳を完了するまでは念を知らないようにしたかったというイルミの思惑があったのだろう。
反対にカルトはというと、扇子を使って紙切れを操る能力を使う。自分で仕入れたのかイルミに仕込まれたのかは不明だが、キルアの知らないところで念を覚えていたのだ。結果的にキルアはオーラを電気に変え、ユピーすら反応できないスピードや攻撃力を手に入れていれており、イルミにとっては手の上で扱えなくなってしまった。こうなることを予期していたためキルアに念を教えなかったのか、ゾルディック家の謎は深まるばかりだ。
ということで作中の疑問点を筆者なりに考察してみた。漫画だから、設定が固まっていないから、といえばそれまでだが、こうした考察の余地があるのも『HUNTER×HUNTER』の魅力だろう。