『HUNTER×HUNTER』「凝」を怠ったウヴォーに「念」を知らなかったキルア…未だ真相が“闇の中”な謎描写の画像
『HUNTER×HUNTER』「凝」を怠ったウヴォーに「念」を知らなかったキルア…未だ真相が“闇の中”な謎描写の画像

 人気漫画『HUNTER×HUNTER』の作者・冨樫義博氏が8月25日にツイッターを更新し、最新単行本37巻の加筆作業に入っていることをファンに報告した。

 少年漫画とは思えないほど綿密に作りこまれた『HUNTER×HUNTER』の世界。キャラの心理描写や能力を駆使した攻防。時間的概念に加えて、それを演出する展開。冨樫義博氏によって練りに練られたストーリーは、圧倒的なリアリティで読者を魅了するが、そんな『HUNTER×HUNTER』にも謎だった描写がいくつかあり、ファンの間で話題となってきた。今回はそんな、小ネタ的な作品内の謎について考えてみようと思う。

■クラピカの鎖を「操作系」と勘違いしてしまったウヴォー

 同作では筋力が弱いものでも体が数倍大きい相手を倒すことが可能で、それが最初に印象的に描かれたのがクラピカと幻影旅団・ウヴォーギンとの戦いだろう。この戦いでクラピカは覚悟の証である「制約と誓約」を利用した念能力によって、最強クラスの強化系能力者であるウヴォーギンを見事に倒した。

 クルタ族の復讐のために幻影旅団殲滅を誓うクラピカは、旅団メンバー以外に使用すると命を失うという条件で、鎖で捕まえた相手を強制的に念能力を使えない「絶」の状態にするという能力「束縛する中指の鎖」を手に入れていた。

 クラピカはまず、これを旅団の強化系能力者であるウヴォーギンを相手に使用することで、自分の能力がいかに有効かをテストした。このときの決闘でクラピカの「束縛する中指の鎖」が見事にウヴォーギンを捉えているのだが、前後を読み返すと実際はウヴォーのうっかりミスではないか? と思えるようなシーンになっているのだ。

 というのもこれより前の陰獣との戦闘後に、クラピカの鎖によって一度ウヴォーギンはさらわれている。その車中で、ウヴォーギンはクラピカを挑発。彼の怒りを買ったことで鎖でさらに締め上げられているのだが、このときに明らかにクラピカの気合いによって鎖が大きくなっている描写がある。

 ウヴォーギンも締めつけられながら「鎖が…!デカく…!?」と言っており、明らかにサイズが変わっているのを認識している。つまり「操作系」による実在の鎖ではなく、念によって作られた「具現化系」の鎖であると分かっていたはず。にもかかわらず、前述の戦闘ではというと「凝」を怠ったことで見えている鎖以外の存在に気が付かず、体を束縛されてしまったのだ。

 なぜ「操作系」ではないとわかっていたウヴォーが「凝」を怠ってしまったのかは謎だが、もともと策など弄さずに筋力で全力突撃するのがウヴォーギンの戦い方なのかもしれない。どんな裏があろうと、自分の肉体と拳でやっつけるというキャラ性が、「凝をしなかった」1シーンにも描かれていたように思う。

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