■大魔王も認めたほどの成長劇！『ダイの大冒険』ポップ
続いて紹介するのは、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』（原作・三条陸氏、漫画・稲田浩司氏、監修・堀井雄二氏）に登場するポップ。
物語序盤のポップは臆病者で見栄っ張りで、何かあるとすぐ逃げ出すところがあり、あまり印象は良くなかった。そのため読者もそれほど期待はしていなかったはずだ。
しかし、かつて勇者アバンと一緒に旅をしていた大魔道士マトリフに弟子入りしたあたりから少しずつ変わっていく。多くの敵や仲間と出会い、戦いを繰り返すことで強力な呪文を習得しただけでなく、一人の人間として成長していく。
それが顕著に現れたのが魔王軍の超竜軍団団長・バランと戦ったときだ。ポップはダイを守るために、自己犠牲呪文「メガンテ」を使用。この捨て身の攻撃は不発に終わりポップは命を落としたが、ダイの記憶が戻るきっかけとなった。
さらにダイとバランの壮絶な親子バトルが繰り広げられる中、死んでいるポップが呪文でダイを援護するという奇跡も起こす。これで生じた隙により、ダイのアバンストラッシュがバランに直撃した。
死力を尽くしたバランは再びダイの前に現れたが、彼が向かったのはポップの遺体が横たわる場所。この戦いを経て、バランがもっとも心を動かされたのは友のために死したポップの存在であり、だからこそポップを蘇生させたのである。
その後、ポップは極大消滅呪文「メドローア」を短期間で習得するなど、ますます目覚ましい活躍を見せる。その急成長ぶりは並み居る強敵たちが評価するほどで、キルバーンは「成長度だけでいったらポップはダイ以上」と警戒し、大魔王バーンが「余の理解を越えている」と困惑したほどの驚異的な粘りを見せた。
序盤のヘタレっぷりから想像もできない劇的な成長を遂げたポップは、もはやダイと並ぶ主人公の一人と言っても過言ではないほど輝いたキャラクターと言えるだろう。
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