一般的に漫画やアニメの主人公は一定以上の強さを手に入れることが多いが、周囲のキャラとくらべて弱すぎる主人公が印象的な作品もある。だからといって戦闘では強い味方の影に隠れて目立たないかと思えば、ストーリー上ではしっかり主人公らしい存在感を示すところも魅力と言えるだろう。
そこで今回は周りの味方や敵と比較して、ちょっと弱すぎると感じた主人公をご紹介。たとえ弱くてもめげることなく、ひたむきに努力をし続ける主人公たちに共感するファンも多いはずだ。
■弱すぎて主人公とは思えなかった『ワールドトリガー』三雲修
葦原大介氏の『ワールドトリガー』は、突然異世界への門が出現し、そこから現れる恐ろしい怪物から地球を守るというストーリー。その作品の主人公の一人である三雲修は、弱い主人公キャラを語る上では外せない人物だ。
地球を守る界境防衛機関「ボーダー」に所属する三雲修。しかし、身体能力は限りなく低く、からっきし弱い。それに作中に登場するトリガーと呼ばれる兵器を用いるのに必要な生体エネルギー“トリオン”の量も少なく、直接の戦闘にはまるで向いていない主人公である。
メガネをかけた線の細い容姿や、いつも冷や汗をかいているのも特徴で、彼の弱さを印象づけている。仲間からも容赦なく弱さを指摘されながらも、少しでも強くなろうと努力を続ける姿に好感が持てる人物である。
■敵も味方も強すぎ!?『Re:ゼロから始める異世界生活』ナツキ・スバル
アニメにもなった長月達平氏によるライトノベル『Re:ゼロから始める異世界生活』の主人公、ナツキ・スバルは、異世界に召喚された地球人。召喚前はそれなりに体を鍛えており、地球の一般人からすると強い部類に入ったかもしれない。
しかし、スバルがやってきた異世界は、ケタ外れの強者が跋扈する恐ろしい世界。少々体を鍛えていた程度のスバルでは異世界の暗殺者の前に手も足も出ず、「まったくの素人」と言われてしまう。それだけならまだしも、街のチンピラにナイフで刺されて殺されてしまう場面もあった……。
そんなスバルは“死に戻り”という特殊能力の持ち主。死んでもやり直して運命を変えられるとはいえ、死ぬまでに味わう痛みや恐怖はそのまま。物語の序盤はスバルが苦しみまくって死にまくる様がたびたび描かれている。
少しでも良い運命をつかむために、何度も死に戻ってやり直すスバル。彼も努力を重ねて異世界で生きる力を少しずつ身に着けていくが、いかんせん味方も敵も化け物のような強者ばかり。相対的に弱く見えてしまうのが、ちょっとかわいそうな主人公でもある。