『機動戦士ガンダム』シリーズでは「ガンダム」のように特定のパイロットにのみ与えられる機体と、一般兵に与えられる量産機が存在する。特に、エースパイロットにはワンオフの専用機が与えられ、たとえば『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』にてアムロ・レイはν(ニュー)ガンダムに乗り込み、シャア・アズナブルはサザビーに搭乗した。
しかし、なかには量産機をカスタムして自身の専用機とする場合もある。有名な機体はシャアが乗る「シャア専用ザクII」だ。パーソナルカラーに塗装されていることが多いが、カラーリングだけではなく武装も細かく変わっている点もおもしろい。
ワンオフ機体に比べて派手さはないが、その渋さに憧れを感じる人も多いのではないだろうか。本記事は、そんな指揮官専用機を3つピックアップした。量産機との違いやエピソードを紹介したい。
■過酷な任務を耐え抜いた指揮官機
最初に紹介するのは『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場した「シーマ専用ゲルググM(マリーネ)」。パイロットはシーマ艦隊を率いる指揮艦、シーマ・ガラハウだ。量産型ゲルググのカラーリングが緑の胴とグレーの手足に対し、シーマ専用機は紫の胴と黄土色の手足をもっている。
ゲルググMはゲルググを海兵隊用に改修した機体で、過酷な任務に就くことが多かった。そのため、武装やパーツの消耗が激しく生産が追いつかないため、調達が簡単なマシンガンを装備している。
カラーリング以外の違いは、ジオン軍の特徴ともいえるブレードアンテナ。そして、スラスターが追加され、プロペラントタンクを2基増設。頭部にバルカンが増設されているものの、量産型に装備されているシュツルム・ファウストとナックル・シールドはオミットされているようだ。
作中では、シーマが所属するデラーズ・フリートで、唯一ビーム・ライフルが使用できる機体として登場。戦艦アルビオンの随伴艦を2隻撃沈し、宇宙用の装備に換装されていないガンダム試作1号機を大破した。
シーマといえばのちに乗り換えるガーベラ・テトラのイメージをもつ人もいると思うが、シーマ専用ゲルググMも旧式でありながらめざましい活躍を見せた。