■映画の主役機なのにガンダムじゃない? 疑惑の機体『F91』
1991年に公開された映画『機動戦士ガンダムF91』の主役機にも、まさかの「ガンダムではない?」という疑惑がある。その理由はシンプルに機体名が「ガンダム」ではなく、型番のF91をそのまま呼んだ「フォーミュラナインティワン」というのが正式な名称だからだ。
それに開発したのも従来のガンダムシリーズを作ったアナハイムではなく、サナリィ。開発したサナリィではコードネームに「ガンダム」をつける案もあったようだが「非正規部隊の機体にはふさわしくない」として頓挫したとされている。
ただし劇中ではスペース・アークの艦長代行を務めたレアリー・エドベリが、過去の有名なモビルスーツと顔が似てるところから、F91を“ガンダム”と呼び、主人公のシーブック・アノーもガンダムと呼んでいた。
「現場の人間がガンダムと呼んでいたらガンダムじゃないの?」という意見もあり、設定を重視するのかで見解が分かれそうなところである。
余談だが、宇宙世紀の作品ではないが『機動戦士ガンダムSEED』に登場するストライクガンダムなども厳密にはガンダムではない。OS起動画面にあるアルファベットを見て、主人公のキラがガンダムと呼んだに過ぎないのだが、作中ではしっかりガンダムとして扱われていた。
どう見てもガンダムには見えないガーベラ・テトラやリック・ディアスが設定上はほとんどガンダムで、劇場版の主役機であるF91が厳密にはガンダムではない疑惑があるのも面白いところだ。
他にも『逆襲のシャア』に登場したリ・ガズィは、「リファイン・ガンダム・ゼータ」の略なので、ガンダムの名が入っていたりもする。作品そのものだけでなく、こうした設定面をあれこれ楽しめるのも『ガンダムシリーズ』の醍醐味と言えるだろう。