■わずかな差でガンダムになりそこねた? シャアが名づけ親の「リック・ディアス」
『機動戦士Zガンダム』に登場するエゥーゴの機体「リック・ディアス」は誤解を恐れずに言うなら「ほぼガンダム」といっていい機体である。
同MSはアナハイムとエゥーゴの共同開発で誕生。ガンダリウムγを使用して作られたことから「γ(ガンマ)ガンダム」のコードネームで呼ばれ、実際にエゥーゴのブレックス・フォーラ准将は「γガンダム」と命名しようとしていた。だが、これに「待った」をかけたのが“クワトロ・バジーナ”ことシャア・アズナブルだ。
リック・ディアスのプラモデルの説明書には、「シャアがオリジナルの初代ガンダムに敬意を表した」とガンダムの名称をつけさせなかった理由が書かれており、宇宙用の機体を指す「リック」と、実在したポルトガルの冒険家「バーソロミュー・ディアス」からとって、シャアが「リック・ディアス」と名づけた経緯がある。
つまり、シャアの希望でガンダムの名がつかなかっただけで、リック・ディアスは実質的にはガンダムと呼んでもおかしくない機体だ。リック・ディアスがドムのようなビジュアルではなく、ガンダム然(?)としたフォルムをしていたら、もしかするとシャアも納得していたのかもしれない。
ちなみにリック・ディアスには、シャア(クワトロ)のあとにアムロ・レイも搭乗しており、テレビアニメでアムロとシャアが搭乗した“唯一のガンダム”となるかもしれなかった機体なのだ。