■異次元世界ポドリムスから「ドリムノート」とともにやってきたお姉さん『ウイングマン』
最後に紹介するのは、『電影少女』や『TIGER&BUNNY』のキャラクター原案でも知られる桂正和氏の連載デビュー作となったSFアクション漫画『ウイングマン』から夢あおい。
主人公の広野健太は変身ヒーローに憧れる中学生である。そんな彼が異次元世界ポドリムスからやって来た夢あおいとの出会いにより、「ドリムノート」の力でウイングマンに変身し怪人たちと戦う物語だ。
本作に登場する夢あおいとは、書いたことが現実化するドリムノートを作ったポドリムスの科学者ラークの娘である。ポドリムス人である彼女が名乗る夢あおいは“偽名”であり、青い髪の美しい姿は“擬態”だ。あおいは本来の姿を健太に見られることを嫌がっており、敵により擬態を強制解除させられた際には目をつぶるよう頼んでいる。また、何人ものポドリムス人が登場する中、あおいが本来の姿で登場することはなかった。
小川美紅らとともに結成された「ウングガールズ」のひとりで、戦闘時にはポドリムズ人が体得しているディメンションパワーを応用した攻撃を使う。また、16歳という年齢のためか、年下の健太のことを「ケン坊」と呼んだり、回想では恋人のナァスからプロポーズもされるなど、お姉さんキャラとしても人気の高いキャラクターだ。
アニメ化もされた本作だが原作とは終わり方が違う。原作では切ない終わり方となっているので、興味がある方は是非とも本作を読んで確認してみて欲しい。
今回は数ある漫画のなかから、筆者の心に強く印象に残った「ミステリアスな女性」3名を紹介した。彼女たちそれぞれが重い宿命を背負っていながら、それにくじけることなく立ち向かう姿に読者は惹かれてしまうのだ。むしろ彼女たちが戦う姿が美しいからこそ、私たちは魅了されてしまうのかもしれない。