『がっこうぐらし』に『青野くんに触りたいから死にたい』も! 第一印象とのギャップがすごい「意外な展開に驚いた漫画」3選の画像
まんがタイムKRコミックス『がっこうぐらし!』(芳文社)第1巻・書影より

 新しい作品と出会うとき、表紙やあらすじなどが与える“第一印象”は大切だ。偶然の出会いからジャケ買いをすることもありうるし、逆にパッと見だけで「これは合わないだろうな」と手に取るのをやめてしまうこともあるだろう。

 個人的には、最初に受けとった直感的な印象は、当たっていることが多いように思う。しかし中には、読み進めていくうちに、良くも悪くも「思っていたのと違う!」と驚かされるような衝撃的な作品も存在する。

 そこで今回は、第一印象とのギャップに驚き、ひきつけられた漫画をいくつか紹介していこう。

■かわいい絵柄とダークな世界観がたまらない『シャドーハウス』

 二人組ユニット「ソウマトウ」による『シャドーハウス』は、『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で2018年から連載されているファンタジー漫画。原作コミックスは第11巻まで発売中で、現在アニメの第2期シリーズが放送中だ。

 物語の舞台は“シャドーハウス”と呼ばれる謎の洋館。そこで顔を持たない一族「シャドー」と、彼らの付き人であり“顔役”も果たす「生き人形」がともに暮らしていた。生き人形のエミリコは、主人であるケイトのことが大好きで、少しでも役に立とうと毎日元気いっぱいにがんばっている。

 本作の魅力のひとつとして挙げられるのは、かわいらしい絵柄とダークな世界観のギャップだ。序盤ではエミリコとケイトの日常が描かれるが、そのときでさえほのぼのとした雰囲気の中に、うっすら不穏さが漂っている。やがてシャドーと生き人形の成人の儀“お披露目”が開かれたのを境に、屋敷の秘密が明かされていく。

 作中には数々の魅力的なキャラクターが登場するのだが、次第に彼らの置かれた状況の異質さ、それに疑問を抱かない彼らの異常さが浮き彫りになっていく。「何かがおかしい……」という感覚がじわじわと湧き上がるような描かれ方をしているので、一度気になったら先を読まずにはいられなくなってしまうはずだ。

 ミステリー、友情物語、アドベンチャー、アクションなど、さまざまな要素がギュッと詰まっているのも本作の特徴。特定のジャンルにおさまりきらない『シャドーハウス』の魅力をぜひ味わってみてほしい。

  1. 1
  2. 2
  3. 3