■左腕にサイコガンを持つ不死身の男
寺沢武一氏の『コブラ(COBRA)』は、1978年~1984年に掲載されていたSFアクション漫画だ。左腕にサイコガンを持つ宇宙海賊・コブラがさまざまな事件に巻き込まれ、時には愛する女性のために命さえ賭けて戦う物語である。
そんな同作の主人公・コブラといえば、がっしりとした筋肉質の身体ではあるものの、若干タレ気味な目とダンゴ鼻を持つ三枚目っぽい顔の男性だ。女性にはそれなりにモテはしているようだが、実はコブラのこの容姿が整形によるものだと第1話で語られている。整形前のコブラは髪の長いクールな美形で、本人の言葉を借りれば「ハードボイルドのすごい二枚目」だったのだ。
どうしてわざわざ整った顔を変えたのかといえば、その理由は3年前にさかのぼる。自分を殺そうとやっきになっていた海賊ギルドに対し、当時のコブラは殺し合いの毎日に嫌気がさしていた。そこで、海賊ギルドのブラック・リストから逃れるために顔を変え、さらに生臭い過去の記憶を一切消したうえで、サラリーマンのジョンソンとして平凡な人生を過ごしていたのである。
だが、記憶を取りもどしたコブラは相棒のアーマロイド・レディとともに、再び宇宙船タートル号を操りながら冒険の日々に戻るのだった。