『ドラえもん』でゾッとした“ホラー回”5選 …「のろいのカメラ」「どくさいスイッチ」など、人間の闇や幼さゆえの残酷行動を描いたエピソードもの画像
てんとう虫コミックス『ドラえもん』(小学館)第1巻・書影より

 子どもから大人まで誰もが知っている人気作品『ドラえもん』。未来からやってきたネコ型ロボットのドラえもんが、便利なひみつ道具をポケットから出してのび太を手助けするという物語。大人が感動するようなエピソードも多く、アニメを見てほっこりさせられた経験のある人も多いはず。

 だが、そんな国民的作品の中には、ゾッとするような怖いエピソードも存在することをご存知だろうか。そこで今回は夏らしく、子どもの頃に読んで怖さを感じた『ドラえもん』の恐怖エピソードを紹介していこう。

■ドラえもんも怖れていた恐怖のひみつ道具

 最初に紹介するのは、「のろいのカメラ」というひみつ道具が登場するエピソードから。この「のろいのカメラ」で撮影すると、被写体となった人物の人形が作り出されるという仕組み。

 だが、この人形に何かをすると、モデルとなった当人にもそのまま伝わるという恐ろしい効果がある。ドラえもんが言うには、もし人形の体をバラバラにしたら、そのモデルとなった人間の体もバラバラになってしまうという。

 そんなことは知らずに、ドラえもんや両親の人形を作り出してしまったのび太。その人形はしずかちゃんを経由して、隣家の小さな子どもの手に渡ってしまう。

 のび太のパパとママの人形は冷蔵庫に入れられてしまい、当人たちは凍える寸前。さらにドラえもんの人形は、お医者さんごっこでバラバラにされそうになり、危うく刃物で首を切断されるところだった。それは何とか阻止されたが、ドラえもんの人形は火葬と称して火にくべられてしまった。

 もちろん、この人形をもらった子どもたちはのび太の両親やドラえもんを傷つける意図はなく、ただ人形で遊んでいただけ。だが一歩間違えたらとんでもない悲劇を招いていたかもしれず、それを想像するとすごく恐ろしさを感じたエピソードだ。

■自分の影に乗っ取られる恐怖!

 続いて紹介するのは、「かげがり」というエピソード。ものぐさなのび太は、ドラえもんのひみつ道具で“自分の影”を切り取ってもらい、代わりに草むしりなどのお手伝いをさせる。だが、この自分の影は時間が経過すると次第に知恵がつき、本物ののび太にとって代わろうとするのだ。

 影の自分に逃げられたのび太の体はだんだんと薄黒くなっていき、影のほうは頭脳的な動きでドラえもんたちから逃げまくる。そのとき、のび太の影が言い放つ「モウスグ入レカワレルゾ」というセリフにはゾッとさせられた。

  1. 1
  2. 2
  3. 3