連日のようにSNSで進捗状況を伝え、いよいよ『HUNTER×HUNTER(ハンターハンター)』の連載再開が現実味を帯びてきた人気漫画家の冨樫義博氏。今年10月からは「冨樫義博展 -PUZZLE-」が開催されることも発表され、その告知ポスターには『ハンター×ハンター』のゴン=フリークスと『幽遊白書』の浦飯幽助が描かれているのに興奮し、開催を待ち遠しく思うファンも多いはず。
その『幽遊白書』といえば、主に幽助たちと妖怪の戦いが描かれたバトル漫画だが、作中に出てくる妖怪は、すべてが悪の権化のような奴らばかりではない。むしろ人間のほうが許しがたい悪事を働いているケースが目立つ。今回はそんな鬼畜すぎる人間が見せた、あまりにも非道な行いを紹介したい。
※以下には、コミック『幽遊白書』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、漫画およびアニメをまだご覧になっていない方、意図せぬネタバレが気になる方はご注意ください。
■仙水にトラウマを植えつけた「恐ろしすぎる人間の宴」
まずは主人公・浦飯幽助の敵となる仙水忍が霊界探偵時代に目撃した人間の所業から。魔界に通じるトンネルをふさぐという指令を受けた仙水は、人間が欲望のままに低級妖怪をオモチャにして、虐殺している戦慄の光景を目の当たりにする。
それは仙水に指令を出したコエンマが「人間の酷悪の極みともいえる営み…」「この世とは思えぬ悪の宴」と語るほどの有様……。恐ろしい拷問器具で妖怪をいたぶる人間、妖怪の死体が浮かぶ血のプールに浸かる人間、女性妖怪が吊るされて涙を流している様子などが描かれ、仙水にトラウマを植えつけるほどの恐ろしい惨劇が行われていた。
人間が己の欲を満たすためにこの下劣な行為をしていたと思うと、身の毛がよだつシーンだ。まじめで潔癖な仙水はこのヒドい光景に大きなショックを受け、そこにいた人間を皆殺しにした上で、「ここには人間はいなかった、一人もな」と発言。「妖怪は悪」と信じてきた彼の価値観を180度変えた地獄絵図だった。
■御手洗の心にダメージを与えた、人間の暗黒面を記録した「黒の章」
次は、御手洗清志が心を病み、仙水忍の悪事に加担させるきっかけとなった出来事から。仙水は先に紹介した人間の宴を自らの手で終わらせた後、「黒の章」というビデオテープを霊界の巨大資料館から持ち出す。
これは人間が行った残酷で非道な行いが何万時間も記録された極秘テープで、御手洗曰く「人間が今までどれだけひどいことをしてきたか一目でわかる」代物とのこと。具体的には「殺されるために並んでいる子どもの列」「明日殺されることがわかっててオモチャにされてる人間」など、最悪な内容のほんの一部が明かされていた。
また御手洗は「お前らだってあのビデオを見れば価値観変わるぜ!! 人間は生きるに値しないってな」と語り、そのテープの存在を知っていた蔵馬も「普通の人なら五分ともたず人間の見方が変わるでしょうね」と証言している。
御手洗が寝るたびにビデオの夢にうなされるほどの人間の所業。まさに悪夢の犯罪記録である。