■“エネル顔”初登場の衝撃と珍技が次々生まれた空島編
空島編は、空に浮かぶ島への上陸というロマンあふれるエピソードが描かれた。この空島を統べる存在である「神・エネル」とルフィの決戦の中にも、いろんな笑いどころが存在した。
そのエネルはゴロゴロの実の能力者。2億ボルトもの電撃を放ち、まさに無敵の強さを誇る。エネル自身「私は神だ」と言い放ち、ルフィに対しても自信満々で雷の攻撃を繰り出した。
しかし完全に直撃したはずのエネルの電撃は、ゴム人間であるルフィにはまったく通用せず。そのことに驚いたエネルは、目玉が飛び出るほど見開き、鼻水を垂らして大口を開けているマヌケな表情を披露。1ページまるまる使って描かれたエネルの強烈な表情は読者にも衝撃を与え、通称“エネル顔”と呼ばれている。
その後、斬撃であればルフィにも効くと分かったエネルは、「心綱(マントラ)」によってルフィの動きを先読みする。それに対抗するため、ルフィはボーっとして何も考えないことでエネルに予測させない「ゴムゴムのボー」、全身を脱力させてタコのような体になる「ゴムゴムのたこ」といった絵面の面白い即興技を次々と披露。空島編のクライマックスのバトルだというのに、面白すぎるシーンの連続だった。
■パンク寸前の巨大なお腹で四皇の幹部をぶっ飛ばす
ホールケーキアイランド編は、島全体がお菓子でできていたり、敵将の能力にもお菓子が関係していたりと、どこかおとぎ話のような世界観。だが、ここは四皇ビッグ・マムの本拠地。その物語の前半、誘惑の森にてルフィとナミがビッグ・マムの息子である「シャーロット・クラッカー」に遭遇し、戦いを繰り広げた。
クラッカーは“ビスビスの実”の能力者で、ビスケットの兵士を増殖させてルフィたちを苦しめた。だがルフィは、ナミに「天候棒(クリマ・タクト)」で雨を降らせてもらうと、その水分でふやけて柔らかくなったビスケット兵を食べ尽くしてゆく。
戦闘開始から11時間が経過し、夜通し食べ続けたルフィのお腹はビスケットでパンパンに。ついに限界を迎えたルフィは、ギア4「タンクマン」を発動した。
筋肉風船を胴体に集中させたルフィの体は、満腹状態も相まって巨大なボールのような形態に。見るからにギャグのような姿だったが、ルフィのボディにクラッカーの剣は通らず。逆に弾力性のあるルフィのお腹に、クラッカーの体が埋まっていった。
こうして“タンクマン”で拘束したクラッカーを「ゴムゴムのキャノンボール」で一気に弾き飛ばしたルフィ。クラッカーを遥か彼方までふっ飛ばした威力もさることながら、でっぷりしたルフィの見た目のインパクトがすさまじく、食い意地の張ったルフィらしい愉快な勝ちっぷりだった。
どんなにシリアスな戦いでも、予想もできないような突飛なアイデアを披露してくれるルフィ。たとえカッコよくはなくても、面白い作戦や発想によって私たちをクスッと笑わせてくれるので、どんなときもルフィの戦闘からは目が離せない!