『ゴールデンカムイ』ともに生きともに死んだ夫婦、恩を返し逝った男、最期までかっこよかった“最強の男”…あまりにも感動的だった死亡シーン3選の画像
『ゴールデンカムイ』ともに生きともに死んだ夫婦、恩を返し逝った男、最期までかっこよかった“最強の男”…あまりにも感動的だった死亡シーン3選の画像

 野田サトル氏による漫画『ゴールデンカムイ』の最終巻となる第31巻が7月19日に発売となった。2014年からスタートし、2022年4月に『週刊ヤングジャンプ』での連載を終えた同作は、“不死身の杉元”こと元軍人の杉元佐一とアイヌの少女アシㇼパを中心とした物語。アイヌの金塊をめぐり、さまざまな人間がバトルを繰り広げる同作では、ド派手なアクションシーンが魅力のひとつで、敵味方問わず数多くのキャラクターが命を落としていった。

 ひとくちに「死」といっても、その形はさまざま。悲惨な最期を迎えた者もいれば、信念を貫き満足げに逝った者もいる。今回はその中から、思わず拍手を送りたくなるほど感動的だった死亡シーンをいくつか振り返りたいと思う。

※以下には『ゴールデンカムイ』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、漫画をまだご覧になっていない方、意図せぬネタバレが気になる方はご注意ください。

■最期まで自分の在り方を貫いた、稲妻強盗と蝮のお銀のあっぱれな死に様

 はじめに紹介するのは、稲妻強盗こと坂本慶一郎と、その妻である女強盗・蝮のお銀の最期。2人はお互いに凶悪であるがゆえに恋に落ち、結婚後は北海道各地で強盗を働き暴れ回るという生活を送っていた。坂本は“稲妻強盗”と呼ばれる通り非常に足が速く、1度は網走監獄に収監されたものの、自慢の足を活かして脱獄に成功する。

 夫婦仲は非常に良く、人前でも構わずキスをしたり身体を重ね始めたりと、ときに周りが引いてしまうほどだった。しかし彼らの幸せな生活は突如終わりを迎えることになる。坂本は網走で刺青を入れられた囚人のひとりだったため、鶴見中尉に罠にはめられ第七師団に襲撃されてしまうのだ。

 坂本はお銀と小樽運河で落ち合うことを約束し、第七師団の追跡をまいて逃走しようとする。その後追いかけてきた鯉登からはなんとか逃げ切るものの、機関銃を携えてきた鶴見によって蜂の巣にされてしまった。

その光景を目の当たりにしたお銀は、“幸せなまま終わりにしたい”という想いから、夫のもとへ駆け寄り最期の口づけを交わす。そして鶴見中尉に襲いかかるものの、背後に現れた鯉登に首を落とされ絶命した。彼女は首だけになってもなお、鶴見中尉の足に噛みつくという執念を見せつけた。

 最期の最期まで力の限り走った稲妻強盗と、彼とともに幸せな終わりを迎えることを選んだ蝮のお銀。そんな2人のあっぱれな散り際には、あの鶴見中尉も「美しい死に様を見せてもらったぞ」と言葉を送っている。

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