■第2位 板垣恵介

 第2位は『バキ』シリーズの板垣恵介(16.5%)。

 1作目『グラップラー刃牙』は地下闘技場の最年少チャンピオン範馬刃牙と、刃牙の父で地上最強の生物と言われる範馬勇次郎を中心とした格闘漫画。以降『バキ』『範馬刃牙』『刃牙道』『バキ道』と長期に渡ってシリーズが続いている。

 同作は筋肉をうねるようなタッチで描いており、その独特の表現も見どころ。範馬勇次郎の背中に宿る鬼の形相のような奇怪な形状の筋肉をはじめとして、登場人物たちの筋肉や戦闘スタイルが多様な描かれ方をしている。「これ見よがしの逆三角形」「日に30時間の鍛錬という矛盾のみを条件に存在する肉体」など筋肉にまつわる名言も多い。

 選んだ人からは「ムキムキなのに柔らかそうな筋肉。板垣先生しか描けないと思います」(43歳・男性)、「絵のインパクトがすごい! 衝撃的でした」(38歳・男性)、「顔にまで筋肉が描かれてあるから」(32歳・男性)、「筋肉の構造や一つ一つの部位の動きが気持ち悪いぐらいリアルに描かれているのは『刃牙』以外ない」(33歳・男性)というコメントが集まった。一度読んだらクセになるのが『バキ』の魅力だろう。

■第1位 原哲夫

 そして、19.0%もの得票率で第1位となったのは『北斗の拳』の原哲夫だった。原氏の描く劇画タッチで描かれる世紀末の世界。そこで繰り広げられる男たちの死闘は今でも大人気だ。

 ケンシロウやラオウをはじめとした登場人物たちの筋肉は緻密に描かれており、胸に北斗七星をかたどった7つの傷を持つケンシロウの肉体や秘孔をつく仕草をマネした経験もある人は多いのではないだろうか。また、筋肉だけで服を破くというアニメではお約束となった演出も、本作の筋肉を語る上で欠かせない。

 選んだ人からは「ケンシロウやラオウなどの筋肉がリアル過ぎるので」(44歳・男性)、「筋肉漫画のバイブル」(38歳・男性)、「服を引きちぎるほどの分厚い筋肉描写。ずっと憧れです」(45歳・男性)、「さまざまなタイプの筋肉を描いているからです。好きなキャラはトキです」(52歳・男性)、「筋肉が膨張して服が破れるシーンがかっこいい」(50歳・男性)というコメントが届いた。

 筋肉と一言で言っても、筋肉のつき方や描き方はさまざま。各キャラクターの筋肉に、作家たちの並々ならぬ情熱とこだわりが詰まっており、それが我々読者の心をゆさぶるのだろう。

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