1992年から1998年にかけて全7話が発売されたOVA『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』。同作は横山光輝氏原作による特撮番組『ジャイアントロボ』を原案としたロボットアニメで、2022年7月23日で、EPISODE1の発売からちょうど30周年を迎えた。
主人公の12歳の少年・草間大作を中心に、スターシステムにより『三国志』や『水滸伝』といった横山作品のさまざまなキャラクターが登場する同作。エネルギー源・シズマドライブをめぐる「国際警察機構」と悪の組織「ビッグ・ファイア団」との熾烈な戦いが描かれているロボットアニメだが、超人による“生身”での戦闘も見どころのひとつで、BF団の十傑集の「衝撃のアルベルト」のかっこよさが中でも秀逸だった。
横山氏の漫画『マーズ』に登場するキャラをもとにした衝撃のアルベルト。本作では敵組織BF団の十傑集のひとりとして、大作とジャイアントロボの前に立ちはだかる。片眼鏡をかけ、スーツをビシッと着こなし、いつも葉巻を咥えたマフィアチックな出立ちのこの人物、その名の通り超強力な衝撃波を操るのだ。車にも追いつくほどの猛スピードで走ることが可能で、炎の中でも傷ひとつ負わない。気合いひとつで複数の人間を吹き飛ばし、尋常ではない身体能力を見せつけた。
BF団には「幻惑のセルバンテス」や「素晴らしきヒィッツカラルド」「暮れなずむ幽鬼」といった痺れるほどかっこいい二つ名を持つキャラが在籍したが、やはり攻撃スタイルや佇まいが魅力の「衝撃のアルベルト」は特に人気が高く、同作の代名詞的なキャラといっても過言ではないだろう。
なお、彼のように生身でとんでもない強さを見せるキャラクターはロボットアニメでも貴重で、筆者が愛してやまないゲーム『スーパーロボット大戦』シリーズでも人気が高かった。
衝撃のアルベルトは、『スパロボ64』と『スパロボα』に登場。特に『スパロボα』では、エヴァンゲリオンの第3使徒サキエルと生身で戦うストーリーがあり、サキエルのもつATフィールドこそ破れないが、サキエルの攻撃が彼に命中することもなかった。本気を出せばサキエルも倒せそうな、まさに「衝撃」のシーンだった。