PCゲームを原作とするアニメ『Fate』シリーズ。あらゆる願いを叶えてくれる“聖杯”をめぐり、マスターと呼ばれる魔術師らが召喚した英霊“サーヴァント”たちが命がけで戦う物語である。
本シリーズは原作が成人向けゲームということもあり、残酷な描写やグロテスクなシーンも数多く登場する。作品によっては、あまりの残酷さに思わず目をそらしたくなってしまうほどだ。今回はその中から、筆者がとくに衝撃を受けたシーンを紹介していきたい。
※以下には、アニメ『Fate/stay night[Unlimited Blade Works]』『Fate/stay night[Heaven's Feel]』等の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、作品をまだご覧になっていない方、意図せぬネタバレが気になる方はご注意ください。
■聖杯に変えられ、おぞましい姿になった慎二
まず紹介するのは、アニメ『Unlimited Blade Works』の第21話にて、間桐慎二がギルガメッシュによって聖杯に変えられてしまうシーン。
ギルガメッシュは全世界を支配することを目論んでおり、まずは手始めに支配する価値すらない人間を淘汰しようとしていた。そのために彼は、聖杯よりあふれ出す呪い「この世全ての悪」を世に放つという方法を思いつく。そして聖杯の核であるイリヤの心臓を、魔術師としての素質を持たない慎二に埋め込むことで、出来損ないの聖杯を作り出した。
イリヤの心臓を直接体内に入れられた直後、慎二の体は恐ろしい勢いで膨らみ、中から肉塊のようなものまで出てくる。痛みに苦しんで表情を歪め、涙と涎を垂らしながら悲鳴をあげる彼の姿は、見ているだけでキツイものがあった。
慎二の声を担当した神谷浩史の迫真の演技も、このシーンのおぞましさに拍車をかけている。結局、慎二はすっかり肉塊に飲みこまれてしまい、ギルガメッシュに兵器として利用されることに……。最終的には凛に救出されて元の姿に戻ることができたが、そうでなかったらどうなっていたのかと考えるだけで恐ろしい。
■生き地獄を味わい死んでいったアサシン・佐々木小次郎
『Heaven's Feel』通称桜ルートは、シリーズの中でもとくに鬱展開が繰り広げられる。当然ながらトラウマになるような描写も多く、まさに衝撃シーンの宝庫だ。
そのうちの1つとして挙げられるのが、第1章「presage flower」でのアサシン・佐々木小次郎の死亡シーン。他ルートではサーヴァントとして活躍した彼だが、このルートではなんと登場して早々、血を吐いて倒れてしまう。そしてその体内から、“真アサシン”ハサン・サッバーハが現れる。小次郎は真アサシンを召喚するための触媒にすぎず、使い捨ての駒ですらなかったのである。
真アサシンは腹を食い破るという、とんでもない登場の仕方だったため、小次郎は想像を絶する苦痛を味わうことに。あたりに飛び散ったおびただしい血痕、肋骨がむき出しになった彼の死体は、思わず目をそらしたくなるほど凄惨だった。