■涙ながらについたサンジのウソ

 ホールケーキアイランド編では、サンジと“四皇”の一角であるビッグ・マムの娘「プリン」が婚約をして、結婚式が開かれるというエピソードが描かれた。

 実はジェルマ王国の王族・ヴィンスモーク家の一員だったサンジ。父親であり、国王でもあるヴィンスモーク・ジャッジは、ビッグ・マム海賊団との同盟のためにサンジを政略結婚させようと画策する。そしてサンジの抵抗を予測し、彼の恩人である「赫足のゼフ」のことや、海上レストラン「バラティエ」のことを調査し、言うことを聞かなかったら危害を加えると脅しをかけたのである。

 結納に向かう途中、サンジを迎えに来たルフィとナミに再会。だが脅され、大切な存在の命まで握られているサンジは、ルフィを蹴っ飛ばして突き放し、「…‥帰れ、下級海賊共」「おれの名はヴィンスモーク・サンジ『ジェルマ王国』の王子だ」と隠していた身分を明かした。

 さらに「あのくだらねェお前の仲間達の船へ戻るのと…ここで『四皇』ビッグ・マムの美しい娘を妻に貰い、暮らすのとどっちが幸せかなんて比べるまでもねェよな!」と言い放った。

 もちろんこれは本心ではなく、ゼフを守り、ルフィたちを巻きこまないためにサンジがついたウソ。心にもない言葉をぶつけてしまったサンジは、車中で声も出さずに涙を流す場面が印象深い。

 ルフィとの決闘後、しばらくしてから「サニー号に…帰り゛たい゛……!!!!」と零したサンジの偽らざる本音が、彼のついたウソをより印象づける結果となった。


 ほかにも空島編で、エネルの雷が直撃したあとに瀕死のサンジが「タバコの火ィ……欲しかった……トコだ…………!!!」と強がるシーンなども忘れられない。“ウソ”といえばウソップが思い浮かぶが、ほかの一味のメンバーにもカッコいいウソをつくシーンがあるので要チェックだ。

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