■ペアやチームでのバリエーションに富んだ訓練
堀越耕平氏の漫画『僕のヒーローアカデミア』は、ヒーローを目指して「雄英高校」に通う少年少女の奮闘を描いた物語である。教育機関を舞台としている以上、本作にとって修行や訓練といった要素は欠かせないものだといえるだろう。実際、登場人物は自分たちの超常能力である“個性”を伸ばすため、自主トレーニングをしたり、授業のカリキュラムで合同訓練をしたり、ときにはプロヒーローのもとで“職場体験”をしたりと、さまざまな修行を積んでいく。
各々が一生懸命修行に励むシーンも良いが、『ヒロアカ』ならではといえばやはりペアやチームを組んでの訓練。なかでもコミックス第21巻から23巻で描かれた、A組とB組の合同戦闘訓練が特に印象的だった。この訓練ではA組とB組がそれぞれ4人チームを作り、1チームずつ戦うというものだ。またC組(普通科)の心操も、ヒーロー科編入試験も兼ねて特別ゲストとして参加することになる。
ここに至るまでに成長したヒーローの卵たちが、仲間と力を合わせお互いの能力を底上げする姿は、少年漫画の王道といった感じで非常にアツい。ワンマンプレーが目立った爆豪が仲間を助けるようになったり、両クラスのあいだで新たな友情が芽生えたり、心操がヒーロー科顔負けの心意気を見せたりと、人間ドラマ的な見どころも満載だ。