■仙道の活躍を言い当てる「予言めいた言葉」

 神奈川県の最終予選「湘北対陵南」の試合。インターハイへの最後の切符をかけた大一番で、満員の観客がその成り行きを見守っていた。

 桜木花道がファインプレイで陵南キャプテン魚住純の4ファウルを誘い、コートの外に追いやることに成功。湘北は一時15点以上の大差をつけることに成功したが、残り時間が少なくなり、陵南は魚住を再投入する。

 これにより、本来の点取り屋としての役割に専念できることになった仙道彰は、怒涛の快進撃。みるみるうちに湘北との点差を縮めていった。すると観客席にいた、あるカップルの女性が「まだあの白の方(陵南)追いつく可能性あるの?」と質問。これに彼氏が「イヤ…かなりキビシイが…」「あの7番が奇跡をおこすかも……」と、7番をつけた仙道に関する予言めいた言葉を返した。

 このとき会場中で似たような会話が相次いでいたようで、「あのツンツン頭が…」「7番が…」「仙道が…」と、さらなる仙道の活躍に期待する声があちこちから聞こえてくる。

 その仙道の獅子奮迅の活躍で、一時陵南は1点差まで詰め寄ったが、湘北・木暮のスリーポイントで万事休す。だが仙道の活躍もあって得点差はわずかだったので、カップルの言っていた「あの7番が奇跡をおこすかも……」の言葉はやけに印象に残った。

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