■戦闘優先で、つねに死と隣り合わせ

 サイヤ人といえば、何よりも戦闘好きな種族として描かれている。強さを身につける修行のために何百倍もの重力下でトレーニングを行い、限界ギリギリまで自分の体を追いこんだりと、いつ死んでもおかしくない日々を送る。

 さらに強敵に出会うとワクワクし、自分の命を捨ててでも目の前の敵と決着をつけなければ気が済まない性質があるから困りものだ。いくらドラゴンボールで復活できる世界観とはいえ、平気で死ぬことを選んだり、フリーザとの戦闘の際にはせっかく神龍の力で地球に帰ることのできるチャンスがあったのに、フリーザとの決着をつけたいがためにそれを断ったりもしていた。

 かなりの教育ママになった印象は強いが、悟空に対するチチの愛情は健在と思われる。それはナメック星で死んだと思われていた悟空をドラゴンボールで生き返らせるとき、その場に来ていたチチのうれしそうな表情からも伝わってきた。

 だが実際、悟空は死んでおらず、ドラゴンボールの力で呼び戻そうとすると、悟空は自らの意思でそれを拒否。このとき亀仙人から「ヨメさんがこわいんじゃ」と悟空が帰らない理由を推察されてチチは怒っていたが、夫に帰らない理由も教えてもらえず、ただ待たされるチチの気持ちを考えると、あまりにもかわいそうに思えた。

 ちなみにこうした傾向は悟空だけの話ではなく、同じサイヤ人のベジータもそう変わらない。戦闘に送り出したパートナーの死を聞かされ、そのたびにショックを受けたであろうサイヤ人の妻たちが不憫でならない……。

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