■80年代の人気ラブコメ漫画のヒロインも
まつもと泉氏によるラブコメ漫画『きまぐれオレンジ☆ロード』(集英社)のヒロイン、鮎川まどかも中森明菜をイメージして考案された。
作者のまつもと氏が『きまぐれオレンジ☆ロード』愛蔵版3巻で語ったところによると、まどかは1982年7月28日に発売されたシングル『少女A』の中森明菜がモデルだという。
鮎川まどかはミステリアスで大人っぽく、気まぐれな美少女。主人公の春日恭介が転校してくるまでは校内一の不良、近寄りがたい女番長として君臨していた。音楽家の両親は海外で仕事をしていることが多く、大きなお屋敷で1人で過ごすことが多いまどかにはどこか寂しげな雰囲気も漂っている。
そして音楽家の両親がいるがゆえに、まどかは歌が非常にうまい。中森の歌唱力が素晴らしいのは言わずと知れた事実で、まどかの「歌がうまい」という設定が生まれたのも、中森がイメージソースになっている事実を踏まえれば自然なことだ。
前出のリン・ミンメイと同じく、まどかは黒髪ロング、目の上ギリギリまで伸ばされた前髪、顔周りにレイヤーの入ったヘアカットなど、当時の中森を彷彿とさせるデザインになっている。
楽曲『少女A』のパフォーマンスで中森が見せた、どこか影がある不良少女のイメージを、ラブコメ漫画のヒロインとして具現化したのが鮎川まどかと言えるだろう。