■サングラスが無いと回避不能? 使い勝手抜群の「太陽拳」

 天津飯が編み出した「太陽拳」も、いろんな戦士が真似して使用している。天下一武道会においてジャッキー・チュン(亀仙人)との戦いで天津飯が初披露した技だ。

 突然まばゆい光を放ち、対戦相手の目をくらませるという技で、技自体に攻撃する能力はないが、とても手軽に大きな隙が作れるという利点がある。誰もが「スキンヘッドの天津飯の頭が光ってまぶしいのでは?」と思ったはずだが、フサフサの悟空も真似していたのでそういう技ではないようだ。

 相手に直接ダメージを与えるワケではないけど、一瞬でも相手の目をくらませたら相当なアドバンテージになる。実際に作中では戦闘時だけでなく、逃走する際に用いたりもしていた。

 コンマ数秒の油断が命取りになる極限の戦いにおいて、ほぼ確実に隙を生み出せる太陽拳の効果は絶大。そのためか天津飯だけでなく悟空、クリリン、セルなどもこの技を使用していた。しかもこの技も、格上の相手に対して有効なので、クリリンはドドリアから逃げる際や、フリーザの動きを止める際にも使用している。

 作中で太陽拳が不発に終わったシーンは、天津飯が悟空に使用したときにサングラスをかけられて防がれた一度きり。即座に目を閉じて、気を探って相手の位置を特定すれば良いのではないか……とも思うが、基本的に奇襲で用いられるため、とっさの対応が難しいのだろう。お手軽でかんたんに真似できる技としては、作中では最高クラスに使い勝手の良い優秀な技に思える。


 多彩な技が登場する『ドラゴンボール』だが、舞空術のような基本的な技を除くと、他人の技を真似するケースは意外と限られている。歴戦の猛者たちが真似をしたり、似たような技を使ったのは、それ相応の理由があるからだろう。ちなみに誰も真似をしていない技なら、個人的には「アクマイト光線が最強では?」などと思っているが、そちらはまた別の機会に紹介したい。

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