■夫婦愛に感動…「ベジータが死ぬシーン」

 邪悪な魔導師ビビディが造り出した「魔人ブウ」。長く封印されていたが、ビビディの息子・魔導師バビディにより魔人ブウは封印を解かれ、地球で復活してしまう。

 孫悟空と戦いたいばかりにブウの復活に手を貸すカタチになってしまったベジータは責任を感じ、ブウを道連れにしようと自爆攻撃を敢行した。

「さらばだ ブルマ…トランクス……そして…カカロット……」と言い残し、大爆発とともに散ったベジータ。その爆発の衝撃波を、ブルマは移動中の飛行機内で感じる。

 同乗していた亀仙人は、遠くで大爆発が起こった可能性を示唆したが、ブルマだけは何か不吉なものを感じ取った様子。「な…なに……!? こ…この胸騒ぎは……」「……べ…ベジータ……!?」と心中でつぶやき、ベジータに言及しながら不安そうな顔を見せていた。

 ベジータとブルマのやりとりは、作中ではそこまで描かれていないが、ベジータは死ぬ直前に真っ先にブルマの名を呼んでいた。ベジータの死を悟空から聞かされたブルマは「ベジータが…そ……そんな……」と涙ぐみ、その後「やだ~~」と絶叫しながら号泣。双方の想いが伝わってくるシーンである。

 

 良くないことが起きそうな予感がすることを「虫の知らせ」などと言うが、大事な人が亡くなる直前に感じたというケースも話に聞く。神龍の力で死者が復活できる『ドラゴンボール』の世界と現実では、受け取り方は少々違うのかもしれないが、それでも死に別れる間際の描写にはグッとくるものがある。

  1. 1
  2. 2
  3. 3