■彩子の空気を読む力! 主将・赤木の決断を尊重して見守る
神奈川県のインターハイ予選。“王者”と呼ばれる強豪、海南大附属との試合中に、キャプテンの赤木が足を負傷するシーンがあった。
骨に異常があるかもしれないほどの足首の腫れを見た彩子は「検査をしないと」と促すが、赤木は試合に戻るために「いいからテーピングだ!!」と譲らなかった。
テーピングでガチガチに固め、ハーフタイムにコートに戻った赤木。「後半いけるんだろうな」という三井の言葉に、赤木は涼しい顔をして「任せろ」と答える。
この時点で、赤木のケガが軽くないことを知っているのは彩子だけ。そんな強がりにも聞こえる赤木の言葉を耳にしても、彩子は無言を貫く。この試合に賭ける赤木の並々ならぬ想いや、せっかく同点に追いついたチームの士気を下げないための配慮もあったのだろう。
後半が始まり、赤木の汗の量が尋常ではないことに気づいた彩子は、「とめるべきだわ 今からでも遅くない」「赤木先輩の将来のためにも!!」と心の中で激しく葛藤する。だが、それでも彩子は、赤木自身の決断を尊重して止めなかった。
そんな彩子の心中を察した安西先生は「彩子君」「赤木君の足……無理だと判断したら私がすぐに替えます」と助け舟を出している。
空気を読み、男の決断を尊重して見守ることに徹した彩子。元気で明るく、ふだんはよくしゃべる彩子だが、状況を鑑みて黙るところは黙る、とても聡明な女性に感じられたシーンである。
誰にでもフレンドリーに接してノリが良く、つねにポジティブ。さらに気配り上手で空気も読める賢い女性……となれば、世に言う“いい女”の条件を兼ね備えた存在と言っても過言ではない。作中ではリョータがゾッコンだったが、将来の彩子は間違いなく引く手あまたな“モテ女”になるのではないだろうか。