■縁の下の力持ち! 見事な気配りで選手を鼓舞する

 美人マネージャーの彩子に片想いしていたのが、同じ2年生の宮城リョータだ。その気持ちを知ってか知らずか、彩子はたびたびリョータを鼓舞し、活躍へとつなげている。

 印象的だったのが、湘北vs山王工業の試合中、山王のお家芸である「フルコートプレスディフェンス」で湘北が一気に14点もの大差をつけられたときのこと。

 安西先生から、山王のゾーンプレスに単独で切りこむ大役を任されたリョータ。重圧を感じていたリョータの背後から彩子は声をかけると、おもむろに「手ェ出して」と切り出す。そしてリョータの手のひらに「NO.1ガード」というメッセージをペンで書きこんだ。

 その文字を見たリョータはグッと手のひらを握りしめると、いつもの冷静さと自信を取り戻す。その後リョータは、見事山王のゾーンプレスを突き崩すことに成功するのだ。

 心の中で彩子は「あんたはえらそーにして相手をおちょくるくらいがちょうどいいのよ」とつぶやいており、リョータの性格や特徴をよく理解した上での激励だったことが分かる。

 また、インターハイ予選で海南大附属に僅差で負けた翌日には、落ちこんで弱々しいあいさつをした部員たちを彩子はハリセンで引っ叩き、「声が小さァい!!」「おちこんでるヒマはないのよ、あんたたち!!」と気合を入れていた。

 さらに彩子は、部員たちの前で「がけっぷち」という達筆(?)な書道によるメッセージを披露。残りの試合に向けて気持ちを切り替えるよう鼓舞した、心配りが素晴らしい。コミカルな描写ではあったが、湘北にとって彩子の存在が欠かせないことを象徴するシーンに思えた。

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