■あの世に帰っていく悟空に初めて甘えた悟天の抱っこ

 孫悟空とチチとの間に生まれた次男・悟天は、セルとの戦いで悟空が死ぬ前に残した忘れ形見。幼少期からチチに組み手を教えられ、持ち前の遺伝子のおかげか、さほど苦労をせずに超サイヤ人にまで覚醒した優秀な戦士でもある。

 そんな悟天は「第25回天下一武道会」の際に、1日だけ生き返った父・悟空と初めて会うことになる。そのとき人見知りをした悟天はチチの後ろに隠れてしまったが、兄・悟飯からは「宇宙一強い」と聞いていたこともあり、憧れを抱いていたのかもしれない。

 さらにブウとの戦いの中で悟空は超サイヤ人3になり、驚異的なパワーを発揮。これに驚いた悟天(とトランクス)は、あらためて尊敬した様子を見せていた。

 そして、悟空が再びあの世に帰る時間が近づいてくると、悟天は何か言いたそうな表情で父・悟空を見上げる。それに気づいたチチは「わかった! おめえ父ちゃんにダッコしてほしいんだべ?」と言い当てた。

 すると悟空は「なーんだ!!」「だったらはやくいやよかったのによ!」と悟天を抱きかかえると、悟天は涙をこらえきれず、悟空の体にしがみついて別れを悲しむ。そのシーンに感動させられた読者は筆者だけではないだろう。

 大人顔負けのとんでもない戦闘能力を秘めた悟天だが、初めて父に甘えるいじらしい姿は年相応の子どもらしく、心からよかったなぁと思える名場面だった。

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