『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載されていた鳥山明氏の人気漫画『ドラゴンボール』。6月11日から公開されているシリーズ21作目となる劇場版アニメ『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』も、好調な滑り出しを見せている。
そんな『ドラゴンボール』は強敵たちとの激闘が描かれたバトル漫画でいろんな仲間が登場するが、その中には父と子という関係性も出てくる。今回はそんな親子キャラの、とくに愛情が感じられるシーンにスポットを当ててご紹介したい。
※以下には、コミック『ドラゴンボール』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、漫画およびアニメをまだご覧になっていない方、意図せぬネタバレが気になる方はご注意ください。
■誇り高き戦士ベジータが見せたトランクスへの愛
悟空と互角に戦いたいがゆえ、自らバビディに魂を売ったベジータ。しかし、そのせいで恐ろしい敵「魔人ブウ」が復活してしまう。そのことに責任を感じたベジータは、ともに戦おうとしていた悟空の隙をついて気絶させ、たった1人で魔人ブウに挑んだ。
ベジータは怒涛の攻撃を繰り出すが、おなかに大穴が開いてもすぐに復活する不死身のブウに対して次第に劣勢に。その戦いを隠れて見守っていた息子のトランクスは、悟天とともにピッコロの制止を振り切って応援に駆けつけ、ブウに捕まって殺されかけていた父・ベジータを窮地から救う。
普通の戦い方ではブウに勝てないと悟ったベジータは、突如「トランクス……ブルマを…ママを大切にしろよ……」と伝えると、トランクスと悟天に避難するよう呼びかける。
さらに「トランクス……おまえは赤ん坊の頃からいちども抱いてやったことがなかったな……」「抱かせてくれ……」と言って、恥ずかしがるトランクスをグッと抱き寄せると、「元気でな……」と笑みを見せて気絶させた。
さらにベジータは悟天も気絶させると二人をピッコロに託し、自身は魔人ブウを道連れにするために自爆攻撃を行った。
登場時は残忍で冷酷な男だったベジータだが、悟空には地球で家族を持ったことについて「悪くない気分だった」と漏らしている。トランクスとの修行中には「遊園地につれてってやるぞ」なんて言っていたシーンも印象的だ。
地球で平和に暮らし、家族とのふれあいを経て、知らず知らずのうちに穏やかになっていくことに葛藤していたベジータだが、この自爆前のやりとりから、家族であるブルマやトランクスに対する愛情が痛いほど伝わってくる。筆者的には、ベジータの好感度が爆上がりしたシーンだった。