■ドレスローザ編で“伝説のヒーロー”がついた意地のウソ

 ドレスローザ編で描かれた、麦わらの一味とドフラミンゴファミリーとの戦い。その中で小人族たちを率いたウソップは、敵幹部・シュガーを気絶させるための作戦を決行する。

 世界一辛い調味料「タタババスコ」の塊をシュガーの好物のグレープに混ぜて食べさせるという作戦だったが、あっさりシュガーに見破られて失敗。ウソップはそこから逃げ出すが、彼のことを伝説のヒーロー“ウソランド”と信じる小人族たちは「ウソランドはみんなを救ってくれる…」と信じていた。

 そんな声を聞いて舞い戻ったウソップは、がむしゃらに攻撃を開始。しかし、シュガーの前にあっさりと捕縛されてしまう。最後の希望だった“毒入りグレープ(タタババスコの塊)”を食べさせられたウソップは、あまりの辛さに悶絶、とんでもない絶叫を上げた。

 すると、そのウソップのすさまじい形相を至近距離で見てしまったシュガーは、驚きのあまりに卒倒。まさかの方法でシュガーの気絶という本来の目的を成し遂げたウソップに、思わず笑ってしまった読者も多いのではないだろうか。

 そして倒れた英雄・ウソップに、小人たちが感謝の涙を流していると、ボロボロのウソップは親指を立てて「全で(全て)…」「計算どお゛りら(計算通りだ)…」とつぶやいた。

 絶対に計算通りなどではなく、シュガーを倒せたのはたまたまなのは疑いようもないが、それでも小人たちの前では、意地と見栄を張ってウソをついたウソップ。その過程はともかく、ウソップのおかげで「ドレスローザ」という国が救われたのは間違いない。

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