■返しきれぬほどの大恩にこらえ切れず涙を流す…侍たちの男泣きに共感

 獣人であるミンク族が住む国、モコモ公国。ここに“四皇”のカイドウの部下、海賊ジャックが、ワノ国の侍を探しにやってくる。ワノ国の光月一族と古くからの兄弟分であるミンク族は「侍などいない」と告げたが、ジャックは問答無用で武力介入。そしてガス兵器を使って一方的に蹂躙し、千年続いたモコモ公国は見る影もない状態になるまで荒らされてしまう。

 ここまでされても侍は発見されなかったが、実はワノ国の“霧の雷ぞう”は、この国に匿われていた。無茶をしないようミンク族により幽閉されていた雷ぞうは、ルフィたちの手で外に出ると、荒れ果てたモコモ公国の光景を見て立ち尽くし、震えだす。

 チョッパーから「泣いているのか?」と聞かれた雷ぞうたちワノ国の者は、「バカを言え!!」「ワノ国の男児は泣かぬ!!!」と強気発言。しかしその言葉とは裏腹に、国が滅ぶまで自分を匿ってくれたミンク族に対する申し訳なさで、雷ぞうは大粒の涙を流していた。

「ワノ国の男児は泣かぬ」と意地を張りながらもミンク族への想いにこらえきれず涙を流す男の姿に、思わずもらい泣きした感動的なシーンだった。


 現在コミックスが102巻も刊行されている『ワンピース』だけに、ほかにもさまざまな泣ける場面があったが、個人的に気に入っているシーンから泣く泣く厳選。まもなく突入する最終章では、どんな感動的なドラマが描かれるのか期待したい。

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