■吾峠氏が『鬼滅』執筆中から興味を抱いた「宇宙人」

 それでは、初連載の作品が大ヒットとなった、近年のジャンプ作家はどんな次回作を描いてくれるのだろうか。

『ジャンプ』ファンの期待が高まるのは、累計発行部数1億5000万部を突破した『鬼滅の刃』(2016年〜2020年)の作者である吾峠呼世晴氏の次回作だろう。吾峠氏は『鬼滅』が初連載作。過去には『鬼滅の刃』のプロトタイプとなった、鬼狩りが主人公の『過狩り狩り』や商業誌デビューとなった『文殊史郎兄弟』、邪氣に憑かれた人を浄化する浄化師の物語である『肋骨さん』などの読み切り作がある。

 全ての作品に共通するのは、吾峠呼イズムともいえる、ほの暗い世界観と、どこか憂いやフェチシズムを感じるキャラクター設定の数々だ。

 吾峠氏は、コミックス第22巻の表紙裏で「最近はずっと地球外の生命体がコソコソと侵略を進めていた時の対処法などを考えていました」とコメント。また、公式ファンブック『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐』でも宇宙人についての思いを明かしており、「最近また宇宙人ものの古い映画を見ていて、子供のころの印象と大人になってからの印象が全く違うのでびっくりしました」「作者もいつか、読み終わったあと腹筋が8つに割れるようなSFラブコメディを描きたいです」と次作への思いを明かしている。

『鬼滅の刃』が最終回を迎えてから約2年がたった。吾峠氏が次作にどのような「ラブコメ」を生み出すのか興味は尽きない。

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