■エルヴィン・スミス
二人目にご紹介するのは、エルヴィン・スミス。エルヴィンは調査兵団の第13代団長を務めた、極めて優秀なリーダーです。非常に優れた観察眼と予測能力を持ち、独自に編み出した戦術により非常に死亡率が高かった壁外調査での生存率を大幅に向上させることに成功します。
冷徹かつ合理的な思考の持ち主で、重要な場面では味方の命すら犠牲にする決断を下せる度胸を持ち合わせています。とくにアルミンは「大事なものを捨てることができる人だ」「何も捨てることができない人には何も変えることはできないだろう」とエルヴィンのことを称え、尊敬していました。
そのエルヴィンは、圧倒的な強さを誇る獣の巨人を倒すために、新人兵士たちを囮にするという非情な作戦を立案。リヴァイたちが奇襲をかけるためにも必要な策でした。そしてエルヴィンは死を覚悟し、自らその新兵たちを率いる役を担います。リヴァイもエルヴィンの意図を汲みとり、「夢を諦めて死んでくれ」「新兵達を地獄に導け」と背中を押しました。
この特攻作戦で新兵はほぼ全滅しましたが、エルヴィンは瀕死の状態でかろうじて生還。巨人化する注射を打てば救うこともできましたが、リヴァイは苦悩した末にエルヴィンを生き地獄のような現実から解放することを選択。結果、同じく瀕死だったアルミンに注射を使用します。こうしてエルヴィンは、最期は穏やかな死を迎えました。
調査兵団の団長として数々の功績を残し、調査兵団を壁外の真実に近づけるために多大な貢献をしてきたエルヴィン。その頼もしいリーダーの死にショックを受けた人は少なくないと思います。もしエルヴィン団長が最後まで調査兵団を率いていたら……ファンとしては、ついそんなことを考えてしまうほど悲しい別れのシーンでした。