■苦境をものともせず、信じ切った男の言葉に胸が熱くなる

 何よりも水が重要視される砂漠の王国・アラバスタ。この国では3年以上もの間、首都以外に雨が降らないという異常事態が発生し、国民は深刻な水不足に苦しんでいた。

 そんな中、アラバスタの王宮で“ダンスパウダー”が発見される。ダンスパウダーとは、他の地域に降るはずだった雨を奪い、使った地域に雨を呼ぶ危険な粉。国民は、国王が首都にダンスパウダーを使用していると激怒し、ついに大規模な反乱まで起こってしまう。しかし、これは王下七武海のひとり、クロコダイルがアラバスタ王国を乗っ取るために仕組んだ巧妙な罠で、国王は無実だった。

 国民の誰もが国王を疑う中、反乱軍のリーダー・コーザの父親であり、国王とも親交のあるトトは、国王を信じ続ける。そして干ばつにより砂に飲まれ、枯れてしまったオアシス、ユバの町で、一人砂を掘り続ける日々を送っていた。

 そしてルフィたちの活躍によりクロコダイルが倒され、3年ぶりに自然の雨が降る。その雨に打たれながらトトは、「見ろ、コーザ雨は降った…」「……たった3年……たったこれだけの事……」「なァ雨よ…」とつぶやき、空を見上げた。

 苦難の連続だったはずの3年間を「たった3年」と言い切ったトト。最後まで揺らぐことのなかった国王への信頼に胸が熱くなったシーンである。

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