■「これが中国武術(わたし)の異世界転生」烈海王が異世界の怪物相手に大暴れ!!  『バキ外伝 烈海王は異世界転生しても一向にかまわんッッ 』(秋田書店/5巻・6月8日発売 続刊)

 格闘漫画の金字塔『グラップラー刃牙』を始めとする『バキ』シリーズに登場する、中国武術界における最強の称号「海王」を持つ中国武術の達人・烈海王。

 まっすぐな性格と物言い、海王の名に恥じない強さと優しさを併せ持った男で、作中でもトップクラスの人気キャラクターである。しかし『刃牙道』の中で、現代に蘇った宮本武蔵との死合いに敗れて死亡。これには多くのファンが驚き、悲しんだことだろう。

 だがその死のあと、実は烈海王は異世界に転生していた……というのが『バキ外伝 烈海王は異世界転生しても一向にかまわんッッ』(企画・原案:板垣恵介 原作:猪原賽 漫画:陸井栄史)の内容だ。

 武蔵との勝負に敗れ、目が覚めると、見慣れぬ街に立っていた烈。そんな彼に声をかけたのは、烈と同じ境遇で地球から転生した神心会の門下生、仲村だった。彼の説明を受け、剣と魔法が主流の異世界に転生したことを知った烈は、そこで謎の男・天草四郎時貞の強襲を受ける。

 この天草によると、強烈な勝利への欲求を持ちながら敗北し、転生した者は「あがく者」と呼ばれるという。さらにこの世界には「あがく者」たちが数多く存在し、あがく者の頂点に立てば、元の世界への帰還も可能だというのだ。

 異世界でしか出会えない強者たちとの闘いに昂奮(ときめい)ていた烈は、中国武術こそが最強だと異世界で証明するために、まだ見ぬ強敵を求め旅に出るというストーリー。

 企画・原案には『バキ』シリーズの作者、板垣恵介氏の名がしっかりとあり、異世界とはいえ烈が生きている事実に歓喜したファンは多いことだろう。剣や魔法、異形の生物が闊歩する異世界で、烈海王がどんな猛者と出会うのか。『バキ』シリーズとはまた違った、異世界ならではの激闘から目が離せない。


 以上が本家シリーズから飛び出した有名キャラたちが、異世界転生するというスピンオフ3作品。現代の常識が通じない異世界で、クセの強いキャラたちがどんな活躍を見せてくれるのか、どうしても気になってしまう。「異世界転生モノは読んだことがない」という方も、本家の作品を少しでも知っていたら印象は大きく変わるはずなので、異世界モノに触れるきっかけとしても最適なのかもしれない。

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