■「その時スデに行動は終わっているんだッ!」

 48巻の、パッショーネの幹部の一人・ポルポも登場シーンは多くないながら、大切な言葉を残している。

 組織への入団を希望するジョルノに向かってポルポが言ったのは、「人が人を選ぶにあたって最も大切なのは『信頼』なんだ それに比べたら頭がいいとか才能があるなんて事はこのクラッカーの歯クソほどの事もないんだ…」という言葉。

 これは人間社会や組織において至極当たり前ながらも重要なことだ。彼の言葉は「自分の能力のなさを悔やむ前に、目の前の人に対してきちんと誠実でいられているか?」と我々に問うてくるようだ。本当に大切なことを見失わないようにしたい。

 続いては作中屈指の兄貴キャラ、プロシュートのセリフから。52巻でジョルノらに「ブッ殺す」と息巻くペッシに対して、プロシュートは諭す。

「『ブッ殺す』…そんな言葉は使う必要がねーんだ なぜならオレやオレたちの仲間はその言葉を頭の中で思い浮かべた時には! 実際に相手を殺っちまってもうすでに終わってるからだ!」

 プロシュートは続ける。

「『ブッ殺す』と心の中で思ったならッ! その時スデに行動は終わっているんだッ!」。

 言葉にするだけで、何かをやった気になった経験はないだろうか。プロシュートは兄貴らしく、言葉にするだけの無意味さを教えてくれている。有言実行もとい不言実行の彼にこそ、気高く崇高な黄金の精神が宿っているように思う。

 まさしくいい上司であり兄貴分のプロシュート。もし彼が仲間だったら、かなり心強い存在になっていたことだろう。実際にこの後、プロシュートの生きざまを見届け、この言葉を心から理解したペッシは顔つきもまるで別人になっていた。

■「これは試練だ 過去に打ち勝てという『試練』」

 最後は61巻で登場した、パッショーネのボス・ディアボロの言葉。「恐怖はまさしく過去からやってくる…」と発言するほどに自身の過去を他人に知られることを恐れる彼は、ラストバトルの直前、意を決して正体を明かし「これは『試練』だ 過去に打ち勝てという『試練』とオレは受け取った 人の成長は……………未熟な過去に打ち勝つことだとな…」とポルナレフに素顔を見せた。

 乗り越える壁は自身の過去で、自身の敵は自分自身でしかないのかもしれない。読者にそう思わせたディアボロの登場シーンは、敵ながらかっこよすぎた。そしてこの言葉はきっと、誰しもが心に留めておくべき名言であるように思う。

 物語が面白いだけでなく、人生の学びが随所に散らばっている『ジョジョ』の世界。彼らの言葉を胸に、自分の人生を切り開いていこう。

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