『スラムダンク』井上雄彦による圧巻の表現! バスケ初心者・桜木花道が魅せた「神がかったダンク」3選 翔陽・花形を蹴散らし、陵南・仙道を驚かせた急成長の画像
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 1990年から96年まで『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載されていた井上雄彦氏の『SLAM DUNK(スラムダンク)』。平成から令和に入った今も、私たちの心を熱くさせてくれる名作中の名作だ。

 同作は、不良少年だった桜木花道がバスケ部に入り、わずか4か月の短期間で真のバスケットマンへと成長していくストーリー。花道は自分のことを「天才・桜木」と豪語していたが、実際のところは“初心者”。とはいえ、抜群の潜在能力を持ち、運も味方につけながら、たびたびスーパープレーを披露する花道の勇姿に惹きつけられてしまう。

 今回はそんな初心者・桜木花道が魅せた珠玉のプレーの中から、作品タイトルにもなっている豪快かつ華麗なダンクシーンをお届けしたい。

■超高校級ビッグプレーヤーの上からダンク!

 インターハイ出場をかけた大事な一戦。桜木花道のいる湘北高校は、昨年インターハイ出場を果たした強豪・翔陽と激突する。序盤から翔陽に苦戦を強いられる湘北だったが、元中学MVPプレーヤー・三井寿の執念の連続3ポイントや、スーパールーキー・流川楓の大活躍などで、後半残り2分30秒、ついに同点に追いついた。

 そんな重要な局面ながらファウル4つで、これ以上のファウルが許されない花道は、持ち前の積極プレーができないでいた。しかし、ライバル流川から「なに縮こまってやがる」「らしくねーんじゃねーのか」と指摘され、花道は悔しさをバネに奮起。「オレは天才だから大丈夫のハズだ!!」と果敢にリバウンドを取りにいき、湘北の逆転に貢献する。

 ファウルを恐れない花道は、その後もナイスディフェンスを披露。自らチャンスを作り、木暮からパスをもらうと速攻でゴールに向かっていった。

 そこに立ちはだかるのは翔陽が誇る屈指のビッグプレーヤー、197センチの花形透と、191センチの永野満。「ファウルしろ花形!!」「フリースローならそいつは入らない!!」と言う藤真健司の声が響く中、花道は翔陽の2人を蹴散らし、豪快なスラムダンクを決めた。

 残念ながら、このダンクはオフェンスチャージングを取られて花道は退場となってしまったが、彼の気迫のこもったプレーで湘北のメンバーは奮起。観衆の大声援も味方につけて、湘北は2点の僅差を守り切ったのである。

 この場面で一番見入ってしまうのが、花道がダンクを決めた瞬間に、皆が目を丸くして驚いた表情。まるで時が止まったかのような一瞬を、数ページにわたって切り取った井上雄彦氏の画力と表現力が光る。そして時を再開させる審判の「ピイイッ」という笛の音が本当に聞こえてきそうなほど臨場感のある印象的なシーンだった。

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