1986年からシリーズが開始され、2021年9月には最新作『ジョジョリオン』の連載が完結した荒木飛呂彦氏による人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』。
同作の魅力はなんといっても、3部から登場したスタンド能力を使用した敵たちとのバトル。炎や剣を扱う単純なスタンドだけでなく、時間を止めたり鏡の世界に入り込んだりと複雑な能力も登場。それぞれ魅力があるが、中には「自分だったらこの攻撃だけは喰らいたくないな……」というような、荒木氏のホラー趣味が全開となった恐ろしい能力使いがあらわれたことも少なくない。
そこで今回は、数多くのスタンドの中から「絶対に喰らいたくない能力」を3つピックアップ。ただの攻撃よりもはるかに恐ろしいスタンドばかりなので、思い出しながら読んでほしい。
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記事では第3部から第5部までのネタバレを含んでいます。未読の方はご注意ください。
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■傷つけられたら終わり! 体に侵入して操るスタンド
非常に魅力的な「イヤ~」なスタンド能力が多い第3部からは、エンヤ婆がもつ霧のスタンド「ジャスティス」をピックアップした。不気味なホテルを舞台としたエンヤ婆との戦いはホラー映画を彷彿とさせるうえ、最後までどう倒すのか分からないほどの強敵だった。
霧状のスタンドで物理攻撃はいっさい効かない「ジャスティス」。自身も物理的な攻撃をすることができないが、傷口に入り込むことで操り人形のように人を動かすことができる。おまけに操れる人数も一人や二人だけでなく、街中の人たちの死体を丸っとゾンビのように動かして承太郎たちを苦しめた。
ポルナレフはゾンビの大群に襲われ、舌を傷つけられる。そして舌に開けられた穴からジャスティスに侵入され、体を操られて全力で壁にぶつけられたり、おまけにトイレ掃除と称して便器を舐めさせられてしまった。そのシーンは直接的には描かれていないが、のちの会話で示唆されている。
エンヤ婆を怪しんでいた承太郎のおかげで誰も大きなケガはせずにすんだが、ポルナレフにとっては大きなトラウマとなった戦いだろう。
エンヤ婆の見た目の狂気っぷりもあり、嫌悪感とともにとてつもない恐怖を感じるこの戦い。ポルナレフの苦戦はややコメディタッチだったが、大量のゾンビも便器も、もしも自分だったらと思うと絶対に喰らいたくない攻撃だ。