西村京太郎の「時刻表トリック」も盛り込んだ! ファミコン時代の名作『ブルートレイン殺人事件』のドラマ性の画像
画像はファミコン用ソフト『西村京太郎ミステリー ブルートレイン殺人事件』(編集部撮影)
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 堀井雄二さんが手がけた『ポートピア連続殺人事件』『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』をはじめ、『たけしの挑戦状』や『さんまの名探偵』などなど家庭用ゲーム黎明期から根強い人気を誇る推理アドベンチャーゲーム。

 今年3月にこの世を去ったミステリー作家・西村京太郎さんは、テレビドラマだけでなくゲームにも多大な影響を与えており、とくに1989年1月に発売されたファミコン用ソフト『西村京太郎ミステリー ブルートレイン殺人事件』は、当時のスペックに西村作品の醍醐味を詰め込んだ良作だった。

『西村京太郎ミステリー ブルートレイン殺人事件』タイトル画面より。グラフィックだけでなくサウンドもかっこいい名作

「鉄道ミステリーの大家」として名を馳せた西村京太郎の持ち味は、何といっても「時刻表トリック」。『ブルートレイン殺人事件』でも、そんな「西村トリック」が発揮されていたのだ。

■十津川班の面々が勢ぞろい!

『西村京太郎ミステリー ブルートレイン殺人事件』オープニングより

 事件は寝台特急はやぶさの車内で発生した。男の死体が発見されたのだ。どうやら他殺の疑いがあるという。

 山口県警の要請で捜査を担当するのは、警視庁刑事部捜査一課警部の十津川省三。ご存知「十津川シリーズ」の主人公である。彼の部下には良き相棒でもある「カメさん」こと亀井定雄刑事と、若手の西本明刑事がいる。ドラマでもおなじみの「十津川班」じゃないか!

『西村京太郎ミステリー ブルートレイン殺人事件』プレイ画面より

『ブルートレイン殺人事件』の主人公はもちろん十津川警部だが、捜査はおもにカメさんと西本が交互に行う。最初はカメさんがはやぶさの死体とその身元を調査していたが、その最中でこれは政治汚職事件と絡んでいるかもしれないということが判明する。そこへ第2の事件が発生する……というストーリー展開。

 このゲームは、グラフィックがすばらしい。1989年当時の「十津川警部シリーズ」といえば、テレビ朝日と東映が制作した「三橋達也・愛川欽也版」だったが、有名な渡瀬恒彦の「十津川警部シリーズ」はTBS系で、しかも1992年からの作品だ。ゆえに今作『ブルートレイン殺人事件』のグラフィックも三橋・愛川の容姿が意識されているはずだが、これがなかなかどうして味がある。とくにカメさんは愛川欽也によく似てる!

『西村京太郎ミステリー ブルートレイン殺人事件』プレイ画面より
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