■使い方次第では「クリーム」以上の戦い方も?

 第4部『ダイヤモンドは砕けない』からは、虹村億泰の「ザ・ハンド」を紹介したい。「ザ・ハンド」はあらゆる物を空間ごと削り取るスタンドで、削り取られた対象物は東方仗助のスタンド「クレイジー・ダイヤモンド」の修復能力でも戻すことはできない。

 その能力は第3部のDIOの側近であるヴァニラ・アイスのスタンド「クリーム」とかなり似ている。ただし、「クリーム」が進行方向の物体を暗黒空間に飲み込む際には外の状況が把握できないこと、小回りがきかない能力であることを考えると、「ザ・ハンド」は「クリーム」の上位互換ともいえる。

 ただひとつ憂慮すべきは使い手である億泰の頭の悪さだろうか。「ザ・ハンド」は作中で披露された物を削り取る・瞬間移動以外にもいろいろ応用の効きそうなスタンドだが、本編ではこの2つの使い方しかされない。もし億泰が飛び切り頭の切れるタイプだったら、ヴァニラ・アイス戦以上に悲惨な戦いになっていたことだろう。

 もちろんDIOとしても、ヴァニラ・アイスがそうだったように真っ先に配下に引き入れておきたい能力だろう。

 このほかにも、生物に睡眠は避けられないものなので第3部の「デス13」や、恐怖のサインを見破るという発動条件さえなければ第4部の「エニグマ」も手強そう。結局はスタンドそのものより、使用者の手腕次第なのだろう。

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