■『ゼンカイジャー』でスーツアクターの認知度が広がった

 近年は新戦隊が発表されると、公式サイトやSNSでスーツアクターさんがしっかりと発表されています。トレンドにだってなりますし、スーツアクターさんご本人もSNSで発信してくれますし、それに対してのファンの反応も大きい。(僕の色白の方への紫外線情報ツイートと大違いです)

 小学館ではスーツアクターさんを題材にした『スーツにゃクター』という漫画やそのグッズも販売されています。しかも登場人物は実際に出てくるスーツアクターさんを元にしたキャラクターで、ジャパンアクションエンタープライズさんも協力しています。というか、僕も関わってます……はい宣伝でした!(笑)

 それだけスーツアクターさんの認知度が大きくなったと思うのですが、僕が最近特に驚いたのは3月19日に発売された『週刊プレイボーイ』(集英社)でゼンカイジャーのキカイノイド・マジーヌが撮り下ろしグラビアに初挑戦したこと。これ、スーパー戦隊を全く知らない読者は本当にビックリしたと思います。分かりやすく言うと着ぐるみのキャラクターのグラビアですから!

 けどその着ぐるみのキャラクターが、1年を通してグラビアを飾るほど愛されたんですよね。これはマジーヌというキャラの設定やデザインなどに携わった全ての方々のお力でしょう。そして、キャラクターというのは演じる人によって全然違う形にもなります。今回これだけ愛おしい存在になったのはマジーヌのスーツアクターの下園愛弓さんと、声優の宮本侑芽さんの演技力がやっぱりデカかったからだと思います。

 実際にグラビアを拝見しましたが、きゃ、きゃ、きゃわいい。そしてその瞬間を逃さないカメラマンさんや空間を作り出す照明さんもすごい。いろんな位置が1ミリでもズレてたらあの素晴らしいショットは無かったのでないかと。

 スーツアクターさんは、手の位置や指の形、顔の向きなど表情が無いマスクから喜怒哀楽を表現しなければなりません。マスクという枷まみれでいつも最高のものを提供してくれてるんです。『巨人の星』でいえば、星飛雄馬の強制ギプスみたいなもんですよ(たぶん)。雄馬はギプスについて「おれの腕力を十分の一以下にしちまうんだからな」って言ってますけど、放送で当たり前のように仮面ライダーとか怪人として動いているスーツアクターさんも、あれ星飛雄馬状態ですからね、とんでもないですよ。

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