■「49ersサイコー!」とニワカに楽しんだアメフトゲーム
続いての先生は、アメリカンフットボールを題材にした『TECMO SUPER BOWL(テクモスーパーボウル)』(テクモ)。アメリカでは熱狂的な人気を誇るアメフトですが、日本では知名度がイマイチだったせいか本作が投げ売りされていることもしばしば。それを見て「アメフト知らないけど、買ってみるか」と手にしたのが出会いでした。
せっかくのNFL公認ゲームなのにチーム名や選手名はもちろんのこと、競技ルールすらまったく知らなかったものですから、当初はゲーム内容も意味不明。でもマニュアルに載っているルールや、敵CPUの動きを見ていると、なんとなく「攻めるときは10ヤード進めばいいのか……」とか「走るルートやパスは敵の隙間を狙えばいける」といったことが分かってきます。
こうして少しずつ遊び方を覚えていくと、作戦の選び方や敵・味方の動き、さらに選手の操作で相手の作戦をくつがえせることが分かってきて「アメフトすげえ面白い!」とドハマリ。サッカーやラグビーなどに比べるとルールや作戦が複雑なアメフトですが、それを学ぶのに『TECMO SUPER BOWL』はピッタリの1本だと今でも思います。
■競馬の奥深さを知った『ダビスタ』は人に貸せないゲーム
3本目の先生は『ダービースタリオン 全国版』(アスキー)です。友人たちの間で初代『ダービースタリオン』が面白いと評判で、気になって少し貸してもらおうと思ったところ「絶対貸せない」と返答が。「手放したくないほど面白いのか!」とさらに興味を持ったところ、ちょうど続編の『全国版』が出るタイミングだったので購入したのがプレイのきっかけでした。
『ダビスタ』は、牧場の運営と競走馬の育成をするシミュレーションゲーム。ふだん通りSLGを遊ぶ感覚でプレイしてみたのですが、しばらくして友人たちが「貸せない」と言った理由が分かりました。
このゲームは基本的にセーブデータが1つしか残せず、オートセーブで進行します。つまり「カセットのセーブデータ=たくさんの愛馬を育てた思い入れのある牧場」なのです。そんな牧場を「ちょっとやってみたい」なんて軽い気持ちの初心者に委ねるのに抵抗があるのも当然。もし「NEW GAME」でプレイされてデータを消されたりしたら二度と立ち上がれなくなることうけあいなので、貸すことに難色を示したのも納得でした。
そして『ダビスタ』を通じて競走馬育成に関する知識とロマンを学んでいくと、それまでギャンブルとして見ていた競馬に対する印象も大きく変わっていきました。
ただ『ダビスタ』で培ったトラウマなのか、人気アプリの『ウマ娘 プリティーダービー』で最近追加された新シナリオを遊んでいると、「こんなにレースに出走して、骨折したり屈腱炎になったりしないかな?」なんて心配しがちです。
今回ご紹介した3本のファミコンソフトがなければ、現在もその分野に対して興味がなかったかもしれません。このほかにも『サイドポケット』(ナムコ)でビリヤードのルールを学んだり、コーエーの歴史シミュレーションゲームで三国志の世界や、戦国武将を知ったりしたものです。
子どもの頃に遊んだゲームをきっかけに新たな趣味を見つけたり、興味ある世界が広がったという人はけっこう多いのではないでしょうか。