■幻となった「掎角の計」と、横山光輝三国志ならではの「美女連環の計」
続いて第3位は! 「掎角(きかく)の計」です!
これは呂布が曹操軍に城の周りを囲まれた場面で、部下である陳宮が進言した計略です。この進言したときの陳宮がカッコいいんですよねー! 城を大軍に囲まれている圧倒的に不利な状況で、ただ一つ敵に打撃を与える方法がある、それがこの「掎角の計」だったのです。
鹿を捕らえるが如き作戦で、「掎」は足を取る、「角」は頭の角(つの)を取る、という意味。呂布もすぐに実行しようとしますが、嫁からの一言で作戦を中止してしまいました。このときの呂布はことごとく部下の進言を聞かなかったり、扱いを間違えたりして、自身を破滅の道へと導きました。もし、この掎角の計を実行していれば……違う未来もあったかもしれません。実行されなかった幻の計略でした。そしてもちろん字面がカッコいいのもランクインした理由の一つです。
それでは第2位は! 「美女連環(びじょれんかん)の計」
王允により娘の貂蝉を使って、呂布と董卓の仲を裂き、呂布を使って董卓を抹殺してしまおうという計略です。史実には登場しない貂蝉という架空のキャラが登場するのも、吉川英治の小説「三国志」を基調にした横山光輝三国志ならではの計略です。董卓の暴政を止めるためとはいえ、娘同様に育てた貂蝉を董卓や呂布に差し出した王允の苦しみ、そして貂蝉の悲しみたるや。王允に招かれた董卓の前で涙をこぼし舞を披露する場面は、横山光輝三国志きっての名シーンです。