■痴皇

 魔界編で登場した、魔界三大妖怪の一人・躯(※原作のムクロの漢字とは異なります。本記事では躯と表記)の父親。躯の体を身勝手な理由で改造するなど、ほかにもヒドすぎる虐待を繰り返していた最低卑劣な奴隷商人。

 7歳の躯が自ら酸を浴びて美貌を失うと、あっさり捨てたことも胸くそ悪いが、痴皇の人でなしぶりはこれだけにとどまらない。復讐されることを恐れ、躯が痴皇に殺意を抱こうとすると、父から愛情を注がれたという“偽の記憶”がよみがえるようにインプットしていた。さらに信じられないことに痴皇は、それで葛藤する躯の様子を想像して酒のつまみにしていたようで、ここまでゲスなキャラはなかなかお目にかかれない。

 最終的に事実を知った飛影に捕縛された痴皇。寄生植物「ヒトモドキ」を寄生させられて身動きが取れない状態で、飛影から躯にプレゼントされた。「好きなだけ切り刻め」「気がすめば殺したらいい」という飛影の言葉と、そのときの躯の表情は『幽白』の中でもトップクラスの名シーンである。

 今回紹介したキャラクターたちは、もし本当にいたら絶対に関わりたくない極悪人ばかり。漫画世界の住人という事実に心の底から安心してしまうレベルだ。ただ、こういったとんでもない外道キャラが倒されたときこそ、スカッとするもの。ぜひこの機会に『幽遊白書』を読み返して、クズキャラの悲惨な末路を楽しんでみてほしい。

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