■ほほ笑む母の歌声に泣き出す禰豆子
最後は、現在放送中の「遊郭編」7話から。禰豆子は炭治郎を助けるために堕姫と戦い、鬼化が進んでしまう。理性を失い炭治郎の静止も聞こえなくなった禰豆子に、炭治郎はかつて母の歌ってくれた子守唄を歌う。その歌を聞きながら禰豆子が思い出したのは、母と手をつなぎこの歌を聴きながら歩いた幼き日の思い出だった。禰豆子は優しくほほ笑む母の顔を思い出し、泣きながら正気を取り戻して眠り、なんとか事なきを得たのだった。
6・7話ではほかにも弟妹たちが炭治郎のピンチにアドバイスを送っており、たとえ気を失っていても炭治郎の心の奥にはいつも家族の存在があることが感じとれる。
炭治郎も禰豆子も、本当は鬼とは無縁の世界で家族とずっと一緒にいたかったことだろう。運命に翻弄され、それでもなお現実を受け入れ前を向いて進むけなげな彼らの姿と、いつまでもそんな兄妹を見守る家族の姿には毎度のことながら涙腺が崩壊してしまう。炭治郎と禰豆子が家族思いで優しい性格なのも、このような温かい家庭で育ってきたためなのだろう。