■必要不可欠なムードメーカー
気迫が空回りして、たびたび大きなポカもしてきた石崎。だが、大一番を迎えるにあたり、チームにとってかけがえのない選手であることが分かる重要なシーンがあった。
それは『キャプテン翼 GOLDEN-23』で描かれたオリンピック予選でのこと。石崎を始めとするU-22日本代表は、大空翼や日向小次郎といった海外組のエースを欠いた状態で、アジア最終予選に臨む。
強力な海外選手を擁するオーストラリア戦で、相手の挑発に乗ったディフェンダーの井川岳人が暴力行為により一発退場。人数不利も響いた日本代表は大敗を喫してしまう。
その試合後、敗戦の責任を感じた井川は「大好きな…サッカーを辞めることで…その責任をとりたいと思う」と涙を流しながら引退を宣言。控え室に重苦しい空気が流れた。
しかし、そんな雰囲気を一変させたのが石崎だ。「サッカーをやめて責任をとるだと。ふざけんじゃねえよ井川」「そんなこと言ってたらオウンゴールする度に、俺は何回サッカーやめなきゃなんねえんだよ」と自虐を交えながら明るく反論する。
この石崎の言葉に、ほかのチームメイトも同調。敗戦に打ちひしがれていたチームのムードはガラッと変わり、一気に前向きに。実際、この石崎の言葉をきっかけにチームの結束は深まり、見事オリンピック出場権を獲得する奇跡を起こすのである。